再生可能エネルギーへの取組

国内地熱発電への取組

日本の地熱資源量は米国とインドネシアに次いで世界第3位であり、地熱発電はクリーン、純国産、ベースロード電源という観点から期待されています。一方で、地下資源特有の開発リスクを評価するために多くの時間とコストを要し、また、温泉事業者などとの調整、複雑な許認可手続、環境アセスメント等のプロセスもあり、発電所建設まで長期間を要することから、いかに早くビジネス化するかが課題です。

当社は2011年から出光興産と共同で北海道阿女鱒岳地域と秋田県小安地域で地熱資源調査を開始し、福島県においては同社を含む他の10社と地熱資源調査を実施中です。阿女鱒岳、小安の両地域では地表調査、重力探査、電磁探査の後に構造試錐井を掘削し、仮噴気試験により蒸気・熱水の産出を確認し、2018年から小安地域では環境アセスメントを開始しました。

将来的には低炭素社会へ進むことが予想される中、当社が国内地熱の開発に取り組むことは、社会的責任を果たしつつ企業価値を高める機会であると捉えています。今後は国内において地熱開発オペレーターを目指し、様々な課題に取り組んでいきます。

海外地熱発電への取組(サルーラ地熱IPP)

当社が2015年6月に参画した地熱発電事業「サルーラ地熱IPP(Independent Power Producer(独立系発電事業者))事業」は、インドネシア北スマトラ州サルーラ地区において、世界最大規模の出力約330MWの地熱発電所で発電した電力をインドネシア国営電力公社であるPLN社へ30年にわたり販売する事業です。発電所の建設は2014年に着工し、2017年3月に第1号機(110MW)、2017年10月に第2号機(110MW)、そして2018年5月に第3号機(110MW)の商業運転を開始しました。

また本プロジェクトではCSR活動の一環として、地域における道路、橋、水道などのインフラ整備、地元の学校に対する英語コースの導入、地元住民に対する生活支援など、地域社会のニーズに応えた地域貢献を行っています。本プロジェクトが経済発展の著しいインドネシアの電力需要に貢献し、インドネシア経済の発展に寄与することが大いに期待されています。

太陽光発電への取組

INPEXメガソーラー上越は、新潟県上越市の当社子会社インペックスロジスティクスの敷地を利用した最大出力約2,000kW(2MW)の太陽光発電所で、2013年3月から発電を開始しました。また、2015年7月には隣接する敷地において2件目となる2MWの太陽光発電所が発電を開始しました。この2つの太陽光発電所全体での予想年間発電量は一般家庭約1,600世帯分の年間電力消費量に相当します。

風力発電への取組

2015年、世界の電力部門の再生可能エネルギー由来の年間導入量は、化石燃料と原子力の導入量合計を超えました。近年、風力発電は風車の規模拡大を主因に、多くの地域で新規電源の中で最も低コストな選択となっています。国内市場は立地制約等の課題が多いものの、固定価格買取制度により国際的に好条件の下で導入促進中です。

当社は2017年末、地元のニーズと課題克服に貢献する方向で、国内で風力発電事業の第一歩を踏み出しました。今後は上記事業で経験を蓄積するとともに、さらに洋上風力事業の事業開発に最注力することで、「ビジョン2040」への貢献に向けた展開を進めていきます。

低炭素化技術

当社は低炭素社会への対応として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の人工光合成プロジェクトとCO2有効利用技術開発事業に参加しています。

人工光合成プロジェクトは、太陽エネルギーを利用して光触媒によって水から得られるクリーンな水素とCO2を原料として基幹化学品を製造するCO2排出量の削減に貢献可能な革新的技術開発の一つです。本プロジェクトは、3つの研究開発テーマで構成され、当社はそれらのうち、太陽光を使って水を分解し、水素を取り出す光触媒開発に参画しており、2021年度末に太陽エネルギー変換効率10%を達成する方向で、研究開発に取り組んでいます。

CO2有効利用技術開発事業は、CO2を燃料や化学原料等の有価物に変えることで、CO2排出削減を目指す事業です。その中で当社は、CO2と水素を反応させてメタンを生成する「メタネーション」の技術開発に取り組んでおり、本年度から新潟県にある当社長岡鉱場の越路原プラントで実ガスを用いた試験を行う計画です。CO2を資源化することで持続可能な循環型社会の実現につなげるべく、将来の商用化を見据えて取り組んでいます。

建設中のCO2メタネーション試験設備
関連リンク